二十四節気の15番目「白露」(はくろ)
2021年の「白露」(はくろ)は、9月7日
白露には「白」という色が入っています。
雪が降る冬ではなく秋なのに、なぜ白なのでしょうか。
字面を見ると、冬っぽく感じますよね。
これは、古代中国の自然哲学の思想である「陰陽五行思想」(いんようごぎょうしそう)によるものです。
陰陽五行思想では、あらゆるものを「木・火・土・金・水」にあてはめます。
季節も「木=春、火=夏、金=秋、水=冬」という風に分け、「土=土用、季節の変わり目」としました。
ちょっと難しい話が続きますが、色も「木=青、火=赤(朱)、土=黄、金=白、水=黒(玄)」と分けられ、季節と合わせて「青春、朱夏、白秋、玄冬」という言葉になりました。
今もよく聞く「青春」はここから来ています。
この「白秋」から、「秋は白」となっているんですね。
重陽の節句
白露の間に迎える9月9日は、五節句のひとつである重陽の節句です。
5月5日、端午の節句の仲間ですが、重陽の節句をご存知でしょうか。
端午の節句と同じように、鯉のぼりを出したりするイメージはありますか。
旧暦の9月9日は、今で言う10月中旬頃で、ちょうど菊の花が咲く時期です。
古代中国では、菊は邪気を払い長寿をもたらす、とてもめでたい花とされていました。
日本でも「菊の節句」として、菊の花を浸した菊酒を楽しんだりしていたようです。
重陽の節句は、かなり大きく祝われていた時代もあったのですが、明治時代の新暦採用で9月9日が菊の季節からズレてしまって、あまり祝われなくなってしまいました。
他の節句が変わらず新暦で祝われる中、ちょっと寂しい話ですね。
今でも上賀茂神社では重陽神事があり、菊酒の接待が行われています。
食用菊の栄養
すっかり祝われなくなってしまった重陽の節句ですが、そこで楽しまれる菊酒に興味が湧いた方もおられるのではないでしょうか。
あまり馴染みがないかもしれませんが、食用菊というものがあります。
スーパーなどで売られているお刺身に、ちょこっと入っている菊の花に覚えはありませんか。
ただの飾りと思うなかれ、食用菊には様々な栄養成分が含まれています。
そもそもお刺身に添えられるのは、殺菌・解毒効果があると言われるからです。
その他にも菊には、抗酸化作用のあるビタミンC、アンチエイジング効果のあるビタミンE、眼精疲労に効くビタミンB1や、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸も含まれています。
東北地方などではよく食べられていて、新鮮な花は天ぷらにする他、花びらを茹でておひたしや酢の物にしたり、サラダに加えたりして食べることができます。
昔のように重陽の節句を楽しむことは難しいですが、食用菊の「つま菊」は通年で手に入ります。
なので、お酒に浮かべたり、食事に取り入れて楽しんでみてはいかがでしょうか。
菊の季節には早いですが、話題先取りで患者さんとのコミュニケーションにも使って行きましょう。
それでは今回もいってみましょう・・二十四節気シリーズ、第15回目!
「白露」
【初候】くさのつゆしろし(草露白)
この頃に見られる朝露は、朝晩の寒暖差が大きくなり、夜の空気が冷やされることでできるものです。
「朝露が降りると晴れ」という天気のことわざがあります。
夜から朝にかけて露が降りるときは、高気圧に覆われていることが多く、日中も晴れることが多いから、そう言われるようになりました。
天気予報のない時代でも、小さな自然現象に目を向けて、その日の天気を予想していたんですね。
【次候】せきれいなく(鶺鴒鳴)
渡り鳥であるセキレイが戻ってきて、鳴き声を耳にすることが多くなる頃、という意味だと言われます。
セキレイの仲間は、かつて、夏場は東北より北に渡り、秋になるとともに戻って来ていました。
セキレイは水辺によくいる鳥ですが、軒下にも巣を作ることがあるため、鳴き声を聞いたことがある人もいるでしょう。
ハイキングなどで水辺を訪れると、お目にかかれるかもしれませんね。
【末候】つばめさる(玄鳥去)
春先に日本に渡って来たツバメが、冬を前に、南の国へと渡って行きます。
実は、すでに夏に入った頃に、親ツバメから順々に南へと旅立っているそうです。
残された幼鳥はその間に一人前になる準備をし、10月頃には旅立ってしまうと言われています。
いつの間にか育って、渡って行ってしまうツバメへの寂しさに、季節の移ろいを感じます。
「白露鰻鱺霜降蟹」という言葉があります。
「白露にはウナギとスギを食べ、霜降にはカニを食べると良い」という意味です。
秋の気配を感じるとはいえ、まだ残暑も厳しく、寒暖差から疲れが出やすくもあります。
ウナギの旬は秋から冬で、ちょうど脂の乗って来る時期。
ここでスタミナをつけるために食べるのも、良いかもしれませんね。
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