保険が歯科経営にとっての害悪だ!
「保険治療をやっていても利益が出ない・・・というより赤字になるだけだ」
よく耳にするお話です。
でも、本当にそうなのでしょうか?!
もちろん、治療内容や症状によっては、必要以上に時間を取られ、1回の来院あたりの時間計算上、赤字になることはしばしばあるでしょう。
しかし、それはどんな業種・業態でもありうること。
日常茶飯事と言ってもいいことです。
つまり、利益商品やサービスもあれば、赤字商品やサービスもあるということです。
トータルで利益が出るように経営戦略・集客マーケティング戦略を立てること。
それが重要です。
「いやいや、うちは医療機関でスーパーじゃないんだから!」
確かに医療機関という立場、広告も打てないし、チラシもばらまけないし・・
歯科医院の宣伝活動には制約や苦労もあります。
でも、考えてみてください。
(制約があるということは、その分メリットや優遇されているからでもあるわけです)
普通のお店が、本日特売日!
【1万円を本日限定3,000円、30セット限定!!!】
などとやってますよね。
それが、保険医療機関なら、だまっていても出来てしまっているんです。
(患者3割負担の場合)
会計時に受付で、
「●●さん、今日は1万円です。」
というところを、
「●●さん、今日は3,000円ですね。」
と言えばいいわけですよね。
これって、スゴイことなんです。
でも、当たり前のこと過ぎて、
その価値が分からなくなっているのかもしれませんね?!
保険制度では、理想の治療が出来ないという、先生方の想いは勿論よく理解しているつもりです。
でもですね・・・
『マーケティングの常識』から考えてみて、
1万円のサービスを提供して、黙って何の説明もせず、
「3千円ですよ~」
なんて言えるビジネスが他にあるでしょうか?!
あったら教えてほしいです。
それから、もうひとつ・・
「保険希望」と初診問診時のアンケート、問診票に記入した人が必ずしも自費拒否患者さんではないということ!
も分かっていて欲しいです。
患者心理として、
「最初からふっかけられたくない」
「保険で治るようなら、当面は保険で治して様子をみたい」
そして、(失礼を承知で申し上げますが!)
「先生の腕や対応を確認してから決めたい」
これが、【患者の本心】です。
だから、保険治療はマーケティング戦略的でいうところの
「フロントエンド」(最初に購入してもらう低価格な商品やサービス)と位置づければいいわけです。
そこからの信頼関係構築と知識や情報を提供しながら「教育」していく時間と労力は、どのビジネスでも欠かせません。
「それは、違うぞ!」
って方がいらしたら連絡下さい。
もちろん、戦略的にもしくは、医院の経営ステージによっては、「保険はやりません」ということもOKです。
ハナから「保険悪」ということはないというお話でした。
問題点は数多く有れど、日本の保険制度は素晴らしい部分も多いことも事実です。
世界でも稀有の存在・制度と言っても良いものです。
歯科では保険料率は不利な状況ですが、活用次第で最強の武器となりうるものなのです。