「ことば」は、人の気持ちを色濃く反映すると言われます。
言霊(ことだま)って言いますよね。
口に出す言葉が、その人の行動を表しますし、未来にまで影響するとも言われます。
しかし、心がこもっていない「口先だけのことば」は【言霊】には、ならないと私は感じています。
もし、いま目の前にいる患者さんの治療を心のどこかで面倒だと感じているのに、口先だけで褒めたり、持ち上げたりしても「声のトーン」だったり「声のハリ」だったり、表情(顔の筋肉の動き)だったりで、心がこもっていないことを患者さんは敏感に感じ取っていますよ。
「マスクとゴーグルしてるから、顔の筋肉の動きなんて読めないじゃないか!」
それは、間違いですよ。
言葉は気持ちを表す鏡のようなものなんです。
「あいつは口先だけ」という表現にあるように、心がこもっていないときは口先の筋肉しか使っていないんだと思います(私の個人的見解です)。
できるだけ、省エネで行こうとする本能が働くのでしょう。
さらにその時の目を見れば、その人の気持は解ります。
真剣かどうかは、すぐに察することができてしまうのです。
ひとつひとつは、隠れていたり、わからないようにしているつもりでも、身体全体から発散される空気とでもいうのでしょうか、「オーラ」みたいなものがあるのです。
人間だから、面倒なときもあります。
気分や体調が優れないこともあります。
それは仕方のない事です。
そういうときは、身体のどこかでカバーしてみましょう。
治療している手や指先に神経を集中させるとか、視線をキョロキョロさせないとか、患者さんには見えない部分かもしれませんが、できる範囲で集中することをオススメします。
無理に心のこもっていない義務的な会話をするよりも、患者さんは先生の一生懸命な気持ちを読み取って安心し、信頼感を持ってくれるはずです。
何かの時に思い出してもらえたら嬉しいです。
それでは、また。